アパートやマンション経営の方法の一つとして、サブリースという言葉を聞いたことがあるでしょう。「○○年家賃保証、一括借上」などの宣伝広告も目にします。
なんとなくイメージはできるけれど、実際のところサブリースってどんなシステムなのか、理解できていない人も多いかもしれません。また近年、このサブリース会社との契約においてトラブルが起きるケースもあるようです。
そこで今回は、サブリース契約の仕組みやメリット、注意点などについて紹介していきます。
賃貸経営で困るのは「空室」になること
アパートやマンションの賃貸経営で、もっとも困ることといえば、物件が「空室になること」でしょう。入居者がいなければ、当然、家賃収入は入ってきません。
1カ月、2カ月の短期間ではなく、長期間で入居者が決まらないという事態になると、ローンがある場合、返済に影響が出ることもあります。賃貸経営では、空室へのリスク対策は必ず考えておかなければならないテーマといえるでしょう。
サブリース契約の仕組みとは
賃貸経営の最大のリスクである空室対策のために、家賃収入が保証されたシステムを導入している不動産管理会社があります。これが一般に「一括借上システム」や「サブリース」と言われているものです。
そもそも、一括借上システムとサブリースって別ものなの?という疑問があるかもしれませんが、別個のシステムを意味しているわけではありません。「一括借上システム」とは、不動産管理会社が大家さんから物件を一括して賃借し、運営・管理も一気に引き受けて賃貸住宅経営をする仕組みを言います。
そして「サブリース」はもともと、物件所有者(貸主)がその物件を転貸(又貸し)する業態のことでしたが、現在の不動産取引において多くの場合は「一括借上システム」を指しています。
サブリース契約を結ぶ相手が、不動産管理会社などのサブリース事業者(以下、管理会社)であれば、まず一括借上システムのことだと捉えていいでしょう。
サブリース契約の仕組みは、管理会社が物件を賃借して(借り上げて)、その物件を賃貸に出します。実際に空室があるか無いかにかかわらず、大家側には一定の家賃収入が管理会社から支払われることになるのがサブリース契約の特徴です。
「じゃあ、家賃10万円の賃貸物件を4つ所有していたら、毎月40万円の収入が見込めるの?」とイメージするかもしれませんが、そうではありません。
家賃の一部、おおよそ10~20%ほど差し引かれた残りの額が、保証料という形で管理会社から大家さんに支払われることになっています。