昨日はやっぱり、見てる側としても緊張してたんですよね。個人的には何か具体的な被害を受けたわけではないけれども、記憶に新しい東日本大震災が劇中で扱われるということで「心して見なければ」という、もっと言えば「半端なことしたら許さねーぞ」という感じになっておりまして、ちょっと「フラットに朝ドラを楽しみましょう」といういつものテンションとは違っていたことは否めないわけで。

 なので、一部筆が滑ったなと思う部分がありましたので、先に訂正しておきたいと思います。

 チャンミカ(松井玲奈)の家に泊まるはずだったアユ(仲里依紗)が帰ってきて、結さん(橋本環奈)と台所で話し込む場面。アユは自身の震災体験から、避難所の被災者たちを思って「不安だろうね、特に今夜」と言います。避難所での最初の夜がいちばん不安だったと。

 その場面について、昨日は「もう完全に事態を把握した体で思い出話が始まる。夜明け前ですよ。どこそこの海岸に何百体の遺体が打ち上げられているとか、そういう情報がリアルタイムで発せられている最中です。『避難所で大切な人と一緒に~』じゃないんだよ。まだ生き死にの時間なんだよ。病院の屋上に人が取り残されてるの」と書きました。

 あれだけの大きな地震が起こって、津波が押し寄せた最初の夜、避難所にたどり着けているのは比較的被害の少なかった地域の人であって、まだ多くの人が津波や火災の中にいる、施設の屋上に取り残されている、そういう「避難所にいる人」よりもっと命の危険が迫っている人に思いが至らないアユにムカついていたわけです。

 でも、阪神と東日本では「最初の夜」の意味が全然ちがうんですよね。阪神は朝の5時46分。地震発生から日没まで丸1日の時間があって、昼間に避難所に移動することができた人が多かったんでしょう。

 一方の東日本は14時46分。この日の仙台の日没は17時39分です。3時間後には真っ暗になっているし、被害の範囲も阪神とは比べ物にならないほど広い。だから多くの人が避難所にたどり着いていない。そういうことが起こっていた。