◆宝石で指がギラギラ!
当然ながら訪問販売そのものが悪いわけではなく、店舗まで足を運べない人にとってはありがたいものだ。いまでもさまざまな理由で、ネットも買い物もできない人などに需要があるだろう。しかし珠江さん家に押しかけてくる訪問販売のそれは、度を超していた。
「宝石商も、我が家の常連でした。しかも、じいちゃんが泥酔してくる時間を狙ってちゃんとやってくるんですよ。買った宝石はばあちゃんや母じゃなく、じいちゃんが自分でつけるんですよね。両手に5~6個ギラギラダイヤの指輪はめて、地域でもそりゃもう目立っていました。
ついでに歯の詰め物は、金。ばあちゃんいわく、それも機能面ではなく、見栄だろうと。もし、屏風も金箔があるよ……と入れ知恵する人がいたら、それも手を出してたと思うわ」
かつてショッピングセンターなどでよく見られた調理器具の実演販売なども、珠江さんの家が会場にされていた。地域への貢献が期待される、地主の立場を利用されたと考えていいだろう。
「当然、近所の主婦たちが集まってきてね。そうして人が集まるとまたじいちゃんが『うぢさはほいずば、みなけろ(意味:うちにはそれを全部くれ)』と見栄を張って、買う。最悪です」
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