―連載「沼の話を聞いてみた」―
マルチ商法に訪問販売、カルト宗教や怪しげな健康法。筆者がこれまで取材してきた体験談では、そうしたものに自分から積極的にかかわっていったケースより、「人に誘われた」ケースが圧倒的に多かった(当社比)。筆者の友人経由で知り合った、高橋珠江さん(仮名・40代)もそうだという。
珠江さんは、東北地方の出身だ。豊かな黒髪が印象的な2児の母である。ところが彼女の歩んできた人生は、その穏やかな見た目からは想像できない、ハードなものだった。
珠江さんは「物心ついたときからいままで、ずっと何かしら“勧誘”されているんですよね」と話す。周囲を巻き込むようなよからぬものにハマることを、当連載では「沼」と読んでいるので、それはさしずめ「沼からの呼び声」だろうか。
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