◆源内は、体にも心にも、あまりにひどい傷を負った

 平賀源内(鈴木杏)が外の世界から持ち帰った情報に、偶然も重なり、赤面疱瘡への“サボン”獲得への道は一気に進む。

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 しかし、物語は、笑顔の裏に何を隠しているのか分からず、不気味なオーラを充満させる一橋治済(仲間由紀恵)の暗躍により様変わりしていく。

 吉宗へ強い憧れを持ちながら、狭い視野によって、意次を敵視する松平定信(安達祐実)も、治済に簡単に動かされてしまっているように映る。

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 そして終盤、残酷な事件が起きた。意次から「口吸い」のご褒美をもらった源内が、足取りも軽く夜道を歩いていると、顔に“できもの”のある男たちに襲われる。ここで、源内のバックボーンが初めて知らされていった。

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 女物の着物を着て、結婚し、家を継ぐことに違和感があったこと。かわいがっていた弟を赤面疱瘡で亡くしたことで、「人生は短い」、己の人生ではない場所に留まっているべきではないとはっきり自覚したこと。本草学者となり、赤面疱瘡を撲滅してみせると家を飛び出したこと。そして意次に出会ったこと。そうした出来事が流れていく。

 源内は、頭巾の女が指示した男たちによって犯された。家を出てからは、「あたしも一緒に蘭学を学びたいな」といった思いはありながらも、前だけを向いて、誰にも負けない好奇心と行動力で、光り輝いていた源内。