ところで、netflixの「サンクチュアリー聖域ー」の相撲の話は面白かった。新潮によれば、この撮影は2年前から始まっていたというのだから、すごい時間とカネをかけたドラマだ。

 このドラマの監修を務めた元十両の維新力がいうには、「19年末にオファーを受けて、オーディションから携わりました。元力士もいるとはいえ、ほとんどのキャストは初心者。まずは1年間みっちり肉体改造を行いました。ほぼ毎日のように四股を踏んで稽古をしましたよ。まるで一つの相撲部屋のような雰囲気でした」。

 さらにこうも語る。

「最初の1年間は週6日、稽古をしていました。撮影中も体重が落ちるからと、力士役はロケ弁を二つ食べなきゃいけない。100キロもなかった俳優の方々が、私と同じ130キロ近くまで増量してきたのには舌を巻きましたね」

 まるで、ロバート・デニーロが演じた映画『レイジング・ブル』のように、20キロ以上も体重を増やしていたから見ていて違和感がなかったのか。それに、川崎に作った国技館は、本当の国技館のようだったという。時間とカネをかければ、面白いものが作れるということだ。

 日本ではアニメばかりがもてはやされるが、その人気に陰りが出てくると、その後はどうするつもりなのか。真剣にそのことを考えている映画関係者はいるのだろうか、心配になる。