「高校生のとき、福岡県・糸島で出会い、恋に落ちた米田結と四ツ木翔也。しかし、肩の故障で翔也のプロ野球選手への夢は閉ざされてしまいます」という冒頭のナレーション。「しかし」が前の文章とつながってないんだよなぁ。
それに続くダイジェストも時系列むちゃくちゃだし、今週も順調に出鼻をくじいてきましたNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』。第15週は「これがうちの生きる道」だそうです。
ダイジェストの中にハギャレンが喜んでいる場面がありましたね。あれは「久しぶりに会えてうれしい」というシーンだったはずですが、これを「職場の人々、仲間たちの支えのおかげで」というナレーションに重ねて挟み込むことで「ハギャレンのみんなも結の結婚を祝福している」というシーンにすり替えています。翔也がオフィスで拍手を浴びている場面もそう、あれはアンケート仕事でお手柄を上げたシーンでしたね。
ダイジェストを見るとき、私たちは「あんなシーンもあったなぁ」と思い出すわけです。あわよくば、あのときの感動をもう一度体験したいと思っている。あいにく『おむすび』には「あのときの感動」などというものは皆無なのでそれは叶わないのですが、意味と感触は思い出すんですよ。
ハギャレンとの再会のシーンが流れれば「あいつら就職に悩んでいる結のために結ママ(麻生久美子)に呼びつけられて神戸まで来たんだよな。交通費と休業補償はちゃんと米田家からもらったのかな」と思い出すし、オフィス翔也拍手では「あのアンケートもむちゃくちゃだったし、女性課長の人格破綻ぶりもヤバかったな」と思い出すわけです。
だから、思うんですよ。またウソついてる。誤魔化している。視聴者を欺いている。第71回、振り返りましょう。
アバンだけでこのありさま
そんなこんなで今回もトホホな気分で始まりましたが、オープニング後に出てきた大阪のおばちゃんの描写も嫌でしたねえ。結を「ギャルちゃん」って呼ばせるのはいいとしても、その後の「仕事休みなん? ほな飴ちゃんあげるわ」っていうギャグね。専門学校に入学した当時に出てきた暴言を吐く英語教師もそうだったんですけど、うっすら関西をバカにしてるんだよな。