野田 みんなスゴいなと思いますよ。「こうしなさい」「ああしなさい」と言われて動くのではなく、仕事やスタッフを通じていろんなことを吸収しながら、能動的に考えて動くような存在になっています。

――巨乳グラドルとしての人気に留まらず、今も芸能界の第一線で活躍しているタレントの共通点などはありますか?

野田 監督やカメラマンといった現場のみなさんから、才能のヒントをもらうことが多かったと思います。本人たちもそれを素直に聞いて動く利口さがあるし、なによりズルくないんですよ。僕も「もし、ズル賢く動きたいなら、俺や周りのスタッフが気づかないくらい徹底的にズルくなれ」と言っていましたか。「簡単にバレるような、小ズルいことするのが一番ダメだ」ということですね。

「あくまでグラビアは入り口のひとつ」

――やはり、いち時代を築いた野田さんのプロデュース能力は秀でていたのですね。

野田 僕たちは結局どこまでいっても八百屋さんなんです。畑から引っこ抜いてきた大根をきれいに洗って、そのまま並べてみたり、たくわんに加工してみたり……。その間に本人たちにも栄養や旨みを蓄えてもらうということですね。

――もともとは野田さんも10代の頃は俳優志望だったんですよね。

野田 劇団の稽古に通いながら、歌舞伎町のモダンジャズ喫茶で働き始めて、そこでジャズバンドとかのブッキングを交渉するようになったのが、芸能マネージャーを始めたきっかけです。当時はタチの悪い人間ばかり交渉相手にしていましたね。

――そんな野田さんから見て、今のグラビア業界ってどう映っているんでしょうか?

野田 AKB48が分岐点だったと思いますが、どんな水着グラビアやったとしても、読者や業界の方に響きにくい時代ですね。ナショナルクライアントのキャンペーンガールがどんどんなくなって、同時に雑誌の部数も減ってしまっているので、なんともやりようがないです。

――その一方で人気グラビアアイドルが表紙の青年マンガ誌がコンビニに並ぶ光景や、SNSでは女性の水着写真は動物ネタと並ぶ鉄板コンテンツになっているような状況もあります。