女性の水着グラビアを扱う雑誌が日本で誕生してから約半世紀。グラビアアイドルとして人気に火がつき、芸能界で活躍するようになったタレントや俳優は数知れない。斜陽の出版業界にあってもデジタルを含むグラビア写真集は比較的好況であり、近年のSNSでの「グラドル」の多様な活躍ぶりなどを見ても、“水着グラビア=オワコン”とは言い難い。そこで、かつてイエローキャブの取締役社長として、グラビアアイドルを発掘・プロデュースし、90年代に日本の「巨乳ブーム」を牽引した野田義治氏にインタビューを敢行。芸能プロモーター・実業家として業界を見続けてきた同氏に、現在の水着グラビアを取り巻くビジネス環境などを聞いた。

20年近く巨乳タレントは受け持っていない!?

――野田さんは今年1月、自身の芸能事務所「サンズエンタテインメント」に所属する俳優・タレントのマネジメントを行う会社を新たに設立しました。

野田義治氏(以下、野田) どうしても、僕の“巨乳プロデューサー”としてのイメージが、担当するタレントのイメージを邪魔してしまうときがあるので、新体制へ移行することにしました。

――かとうれいこ、細川ふみえ、雛形あきこ、山田まりや、小池栄子、佐藤江梨子、MEGUMIといった数々の巨乳タレントを売り出し、いち時代を築いたからこその功罪ですかね。

野田 功罪というか、今となっては罪ですよ(笑)。実はもう20年近く巨乳の女性は手がけていないんです。MEGUMIが最後ですね。

――“元祖巨乳アイドル”とも言われる堀江しのぶさんを担当されたときも、当初は巨乳で売り出すつもりはなかったとか。

野田 「少しぽっちゃりして、ふくよかだな」というくらいの感覚で、しばらく巨乳とは気付かなかったくらいです。当時は胸が大きいアイドル歌手はさらしを巻いて、巨乳を隠していたような時代でもありましたからね。

――リアルタイムでイエローキャブの時代を知る男性からすると、野田さんは日本の水着グラビアにおける巨乳女性の地位を確立させた重要人物のひとりだと思います。