野田 女性の水着グラビアというのは、青年マンガ誌などでも当時はほぼなかったですからね。男性誌にはAVメーカーなどから無料で提供されるヌード写真を誌面に載せていましたが、そこにタレントの水着写真で対抗しようということだったんです。それまで誰もやっていなかったことに携われたという意味では、なかなかスリリングで面白い時代でしたよ。

――巨乳に興味がなくなったわけではないんですか?

野田 そもそも昔から僕は巨乳路線ではない子も普通に受け持ってきたんですよ。ただ、興味もなくなっています。エロというものに対する興味自体が……。

昔は胸の張りと形をチェックするお仕事もあった

――インターネットには野田さんが新人タレントの面接の際に「胸の張り・形を水着や服の上から触って確認していた」という情報があるんですが、これは本当なのでしょうか?

野田 はい。そういうこともありましたね。やはり、偽物をつかまされたことが一度あったのと、寄せて上げる「インチキブラジャー」がはやっていた頃は、脇の下の肉を持ってきていないか確認するために触っていました。

――触っていたんだ! よく、誰にも恨まれませんでしたね(笑)。

野田 いや、イメージがひとり歩きしているのですが、「触った」といっても別にわしずかみしていたわけではないですよ。承諾をもらって脇の下に少し手を入れさせてもらっていました。まぁ、本当に大きい子は乳が横に出ているから当たっちゃいましたが……。

――やっぱり、触っていたんだ! ちなみに、スカウトや新人面接では、どういう点を重視していたのでしょうか?

野田 最初はやはり、顔です。

――身も蓋もないですね。

野田 美人かどうかはあまり関係ないです。かわいいかどうか。

――野田さんは所属タレントの整形手術、画像処理ソフトでの修整も認めないことでも有名です。

野田 最近の水着グラビアの世界では整形や豊胸も少なくないようですが、それは僕の美学には反しますね。顔もそうですけど「将来、オギャーっと生まれた赤ちゃんが最初に食いつくところなんだから、イジくっちゃダメ」というのが僕の考えです。それに、昔は豊胸技術も未熟だったため、不自然なバストになってしまったのです。そのため、受け持った子には「無いなら無いで別にどうってことない」と、話していましたね。「それはそれで好きな人いるんだから」ということです。