「極端の回避性」には見栄が影響する場合も

お弁当では考えにくいですが、例えば化粧品などのブランド品の場合、売り手に対する見栄が働くことがあります。3つ選択肢があるのに1番安いものを選ぶことに対して、「ケチだと思われそう」「恥ずかしい」「売り手に顧客として相手にされなくなるのでは」といった心理が働きます。

かといって、一番高い選択肢にはためらいがある、という場合に真ん中の選択肢を選びます。真ん中の選択肢なら、売り手に対して格好もつくし、自分も損をしないと感じるからです。

しかし、これもまんまと売り手の戦略にのせられていることが多いため、注意が必要です。

ビジネスシーンでも活用できる「極端の回避性」

「極端の回避性」を、逆にビジネスシーンで応用することも可能です。営業で顧客に商品を紹介するときや、上司にプランを承認してほしい時、選択肢は3つ用意するのが効果的です。

1つだけでは提案が通りづらくなり、4つ以上になると相手は判断に困ります。そのため、選択肢を3つ程度にしぼって伝えたほうが、相手も選択しやすくなるでしょう。

行動経済学の視点を身につければ買い物の質が上がる

自分で商品を選んでいるつもりでも、人間はさまざまな心理効果の影響を受けています。「極端の回避性」を知っておくことで、無意識に影響する心理効果をブロックし、売り手に踊らされない選択ができるようになるでしょう。

心の働きに目を向け、自分にとって最も望ましい選択をすることが大切です。

参考資料・行動経済学の使い方(著者 大竹文雄 岩波新書)

提供・UpU

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