かたや、出店のオーケー側も失敗すれば評判を落として「再挑戦」も難しくなります。その結果、双方が社運をかけた熾烈な戦いが繰り広げられることになるでしょう。
オーケーの開店後、近隣にあるスーパーは売り上げが増えた?
さて、関西のお客さんの特徴といえば、関東に比べて価格に敏感、なんならもっと「値切る」。その半面安くても不要ものは買わない。食べ物はおいしくて当たり前、期待を裏切ったらその噂が一気に広がる情報網を持ち、店の従業員とのつながりも深い。義理人情に厚く、結局は親しんだ店を選ぶ……。
そんな独特な地域で、関東や東海地域のスーパーが生き残れるのか? どうやってお客さんの心を掴むのか?そこがいちばんのポイントでしょう。
スーパー業界では、強力なライバルが自社エリアに進出してくる場合、奪われる客数や売り上げを予測し、少しでも影響が出ないように「対抗策」を講じます。相手が値段で勝負するスーパーならそれを下回る価格にする、または逆に価格競争は避けて、品質や接客、地域特性に合わせた実績データや信用力で勝負するなどさまざまです。
オーケーの開店後、近隣にあるスーパー「万代」や「ライフ」に出店の影響を聞いたところ、どちらも「心配したがかえって売り上げは増えている。自社の強みを生かして今後も差別化を図っていく」と答えていました。
それが本当ならこんな結構なことはありません。関東と関西のスーパーが共存していくことは、地域の消費者にとっても喜ばしいことだからです。
ローカルスーパーや、商店街の売り上げが「壊滅的」に?
一方で、私はこうも考えます。開店当初はお客さんを奪い合う「争奪戦」、双方が利益を削って価格を引き下げている可能性が高い。この状態が長く続くとは思えず、いずれ体力勝負の潰し合いになるのではないかと……。
既存の大型店の商圏内に新たな大型店が出店した場合、安売りやサービス合戦目当てに、より広範囲からお客さんが集まります。開店セールの行列がそれです。その間は売上総額が増えるため「競合店が出ても売り上げが伸びた」という現象が起きることがあります(開店特需)。