食品スーパーに関する疑問や消費者が知らない裏側を、創業105年にあたる2017年に倒産した老舗スーパー「やまと」の元3代目社長で『こうして店は潰れた~地域土着スーパー「やまと」の教訓~』(商業界)の著者・小林久氏に解説してもらいます。今回のテーマは「食品スーパー、なぜ関西に出店ラッシュ?」。
目次
・食品スーパー、なぜ関西に進出ラッシュ?
・オーケー、肉のハナマサほか関西進出したスーパー
・オーケーを迎え撃つ関西実力派スーパー、万代、平和堂、オークワ
・オーケーの開店後、近隣にあるスーパーは売り上げが増えた
・ローカルスーパーや商店街の売り上げが「壊滅的」に?
食品スーパー、なぜ関西に進出ラッシュ?
大阪は東京とは比較できないほど食にお金をかけ、味にもこだわる「目利き」が多い街です。ここで成功を収めることは、すべての商人(あきんど)の夢といえるでしょう。
近年、この関西エリアに、関東や東海地域が地盤のスーパーの進出ラッシュが続いています。すでに飽和状態ともいえるその土地への出店に勝算はあるのでしょうか? なぜあえてその厳しい市場に進出するのか?
今回はスーパー各社の思惑と、それを迎え撃つ地場スーパーの戦略や心境を「元スーパーマーケット社長」の視点から解説します。
関西進出の背景としてまず挙げられるのは、2025年の大阪万博や近い将来の統合型リゾート(IR)の開業など、今後の成長が期待される点です。このような「伸びしろ」が見込める関西エリアに、現状の出店余地が限られてきた関東圏のスーパーが目をつけるのは当然の流れです。人口の多い関西なら、十分に競争できるという自信もあるのでしょう。
オーケー、ロピア、肉のハナマサほか関西進出したスーパー
近年、関西に進出してきた主なスーパーは以下の通りです。