では、25年のスポーツ紙での熱愛報道が例年に比べて地味だったのは、どういった理由があるのだろうか。

「紙媒体が隆盛だった昔とは異なり、近年はwebメディアが数多く存在し、スポーツ紙が元旦に芸能スクープを飛ばす意義が薄らいでいるというのはありますよね。それに前述のようにトバシ気味に書くと記事の渦中のタレント本人からSNSで完全否定されたり、ネット上でバッシングの対象になったりといったリスクもありますし。加えて、芸能事務所の影響力やパワーの衰えも無視できないでしょう。ひと昔前は、各スポーツ紙が担当記者を用意していた大手芸能事務所の中には業界内のさまざまな情報が集まり、自社タレントの宣伝やプロモーションに協力した記者たちにその貢献度や忠誠心に応じて記事になる芸能ネタを提供したりする事務所もあったくらいですからね。いかに日頃のお付き合いが大事だったかということです。ちなみに、25年に関しては24年末に『ダウンタウン』の松本人志さんや中居正広さんの件が大きな話題を呼び、元旦スクープどころではなかったなんて話も耳にします」(竹下氏)

減りつつある元旦結婚発表

 こうした事情もあり、年々トーンダウンしている観もある元旦スクープだが、他方、近年はタレント自らが結婚を発表するケースも多い。

 25年は平成ノブシコブシの吉村崇がSNSで一般女性との結婚を発表。

 また、錦鯉の長谷川雅紀は元日放送のフジテレビ系『新春!爆笑ヒットパレード2025』内で結婚をサプライズ発表した。

 ほかにも俳優の溝端淳平が一般女性との結婚を有料のファンクラブサイトで発表、声優の神谷浩史と俳優・逢沢りなも所属事務所を通して結婚したことを報告した。

 元日に結婚を発表するタレントが多い背景について、エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。

「お正月はワイドショーも放送されていないし、週刊誌の発売もない。ネットメディアもお休みモードで動いています。だからこそ、元日に結婚発表をすれば、あまり続報が出てこない。また、世の中も芸能ニュースにあまり目を向けていないということもあり、プライベートの報告をできるだけ穏やかに済ませたいというタレントさんにとって、元日は発表しやすいタイミングなんですよね」