あるとき、美香さんが土曜日に仕事に行かなくてはならなくなってしまい、美香さんの母親に息子を見てもらう予定になっていた日がありました。

「その当日、ママ友から『今日うちに遊びに来ない?』とお誘いがありました。私が仕事に行かなければならない事情を伝え、断ったものの『息子くんだけでもおいでよ!』と誘ってもらい、母に預ける計画を中止して、息子だけお邪魔することになりました」

 同じシングルマザー経験があるというママ友は、「シングルの大変さ、本当にわかる!」といつも声を掛けてくれたりと、息子を通じてこんなにも仲良くできるママ友に出会えたことが本当に嬉しく感じていたそうです。

「息子を迎えに行き、『楽しかった?』と聞くと、『すっごく楽しかった! あ、あと今日お友達の家にパパに似てる人が居たの』と言われ、話を聞いてみるとなにやら息子のパパ(元夫)がお友達の家に居たというのです……。

 私は元夫には離婚してから一度も会っておらず、息子も会っていないので半信半疑でしたが、あの時は息子の話をこれ以上聞くのが怖くなってしまいました。息子いわく『あれは絶対にパパだった』とやけに自信満々に言うのでなおさら……」

 その後はこの話題に触れることなく日常を過ごしていたのですが、このあと衝撃の事実を知ることに。

◆嫌な予感が的中。世間の狭さにゲンナリ

イラスト
「入学から数か月が経ち、小学校では運動会がありました。運動会は両親で応援に来る家庭も多いため、『息子が言っていたことが本当だったら、まさか元夫の再婚相手ってママ友? 当時の不倫相手も……?』と悪いほうに考えてしまい、当時の運動会では息子のお友達のパパを無意識に探してしまっていたと思います」

 息子さんとお友達は同じクラスなので、運動会でママ友にバッタリ会ったという美香さん。隣にはお友達のパパやおじいちゃんおばあちゃんも居たんだそう。

「息子が『あ! パパだ! やっぱりパパだ!』と大きな声で言ったことで、その場の空気は一瞬凍り付き、息子のお友達も『そうだよ! ぼくのパパだよ!』と言いました。ママ友や親戚の方は、『え? パパってどういうこと?』と……。肝心な元夫はずっと下を向いた状態で、私からは『バレた』といった反応に見えましたが、そのまま逃げるように居なくなりました。」