節約の話は以上です。

ねえ、かぐや姫、ねえシンデレラ

 立川さん(三宅弘城)と輸入から地場野菜への切り替えについて打ち合わせしていると、イケメンコックの原口(萩原利久)が野菜の詰まった段ボールを抱えて入ってきました。まるで貢物ですね。糸島でヤリイカを持ってきた陽太やイチゴを持ってきた翔也を思い出します。そのうち誰か、勾玉の首飾りとか持ってきそうです。

 ここでもメソッドが発生しています。結が何かを考えていると、その答えを自力で解決する前に周囲がお膳立てをしてくれる。炊き出しの味が濃くなる薄くなるの話ね。実際に炊き出しのメニューを考えなきゃいけない結に、J班のみんなが頼まれもしないのにその原因と対策を調べ上げて提出してくれました。今回の原口は早かったね。カットインしてきたもんな。

 で、地場野菜は価格が高いから規格外を使ったらどうかという話になるわけですが、「でも規格外は……」という課題に対する答えがまた、ふるっていました。

「形の悪いトマトは潰してピューレにすればいい」

 ピューレにするなら新鮮じゃなくてもよかろう、安い輸入ものを使いなさいよと思っていたら、この後すごい理論が展開されることになります。

「まっすぐやないゴボウやニンジンも、刻んできんぴらに使うとか」
「ジャガイモとかカボチャ、調理するんやったら形関係あれへんか」

 この社食では、今まで仕入れていたまっすぐなゴボウやニンジンを刻まずに調理していたというのか。丸ごとか。ゴボウの丸焼きか。ジャガイモやカボチャも切らずに使っていたのか。どういうメニューなのか。星河の社員は大き目の草食動物なのか。馬車でも作るのか。

 規格外の野菜が安いのは流通コストを削減した結果なわけですよ。まっすぐなキュウリが5本入る箱に形が不揃いで3本しか入らなかったら1本あたりの流通コストが上がるから、だったらその3本を弾いて輸送費を下げましょうという企業努力の結果として生まれるのが規格外野菜なわけです。