――なるほど。

重政さん:それから、室内の熱の多くは窓から逃げていくといわれています。エアコンは、屋外の空気中から集めた熱を室内に送り込んで暖房しています。室内の熱が逃げると、エアコンはそのぶんの熱を集めてこなくてはならなくなり、消費電力量が増加します。室内の熱をできるだけ逃がさないように、断熱性のあるカーテンや床までしっかりと覆ってくれるカーテンを選ぶといいですね。

◆使用期間中のお手入れで節電

フィルターを掃除していないエアコン
フィルターを掃除していないエアコン
――「ホコリはエアコンのスムーズな稼働を妨げる」とも聞きます。節電につながるエアコンのお手入れ方法についても知りたいです。

重政さん:基本的なお手入れとして、室内機のフィルターについたホコリを除去し、そして室外機の周りにある障害物を取り除いていただきたいと思います。フィルターのホコリも室外機周辺の障害物も、エアコンの運転効率を下げる原因になってしまうためです。エアコンの使用期間中のフィルターのお掃除は、2週間に1回が目安です。

――エアコン掃除は、自分でやっても問題ありませんか?

重政さん:フィルター掃除は、フィルターを取り外してホコリを取り除き、再びセットする簡単な作業です。ただ、熱交換器と呼ばれる金属の薄い板が並んでいる部分の汚れが気になるときや、室内機から嫌なニオイがするときなどは、室内機の洗浄をおすすめします。ただ、熱交換器などをご自身で掃除すると不具合につながってしまう場合もありますので、専門の業者にご依頼ください。

――ありがとうございます。ほかに、お手入れ関係で教えてもらえることはありますか?

重政さん:今年はもう既に暖房シーズンが始まっていますが、本格的にエアコン暖房を使いはじめる前に、エアコンを試運転して正常に暖房運転ができることを確認いただくと安心です。冬前のエアコン試運転のタイミングの目安は、気温が10℃ぐらいになる11月頃です。また、試運転の際、フィルター掃除や室外機周辺の整理整頓もしていただくことをおすすめします。