コンビニは今や日本中に広がり、「物を買う」だけでなく「税金や公共料金の支払い」「住民票や印鑑証明書の取得」「非常時の防災拠点」など、地域になくてはならない「インフラ産業」ともいえます。

 そのためヨーカドーの創業家や支援先の銀行、利害関係のある商社が束になって、この外国資本の買収を阻止するために「自分たちが会社を買い取ります!」と目下攻防を繰り広げています。その双方の思惑から買収価格は吊り上がり、当初の4兆円から、今では9兆円とも……。

 経営母体が変わることに不安を覚えるフランチャイズオーナーもいることでしょう。そんな折、セブン&アイHDは、「イトーヨーカドー」など食品スーパー事業およびロフトをグループから切り離し、新たに「ヨーク・ホールディングス」として独立させました。これにより、セブン&アイHDはコンビニエンスストア事業に集中するとのことです。

 今回の買収騒動では国からも「日本の重要な産業に対する外資の買収について慎重に対応する」旨の意見も出ました。利益を優先する外資の方針で、不採算店の閉鎖が続けば、コンビニしかない田舎のお客さんは困ってしまいます。全国に約5万5,000店舗、その内およそ2万1,000店舗のセブン-イレブンの未来はどうなることでしょう。

食品スーパー業界の注目ニュース②ロピアの快進撃

ロピア外観(写真:サイゾーウーマン)

 セブン&アイHDは、かつてのスーパーの雄「イトーヨーカドー」を本体から切り離す決断をしました。このままグループ会社の中に置くより、他企業やファンドに経営を任せて再建したほうがいいとの判断でしょう。人手に渡すためは、全国にある不採算店の閉鎖を進めなければなりません。

 その空き店舗に積極的に出店していったのが、川崎市に本社がある「OICグループ(オイシーグループ)」が運営するスーパーマーケットチェーン「食生活♡♡ロピア」(読み:しょくせいかつラブラブロピア)です。