食品スーパーに関する疑問や消費者が知らない裏側を、創業105年にあたる2017年に倒産した老舗スーパー「やまと」の元3代目社長で『こうして店は潰れた~地域土着スーパー「やまと」の教訓~』(商業界)の著者・小林久氏に解説してもらいます。今回は「スーパー業界2024年の3大ニュース」を振り返ります。
目次
・スーパー業界2024年の3大ニュース
・①セブン&アイホールディングスの買収騒動
・②ロピアの快進撃
・③セルフレジ&キャッシュレス決済の進化
2024年の食品スーパー業界の注目ニュースベスト3
食料品の値上げが止まらず、家計を直撃したこの一年も残りわずかとなりました。おせち材料などお正月の買い出しで賑わう年末年始は、スーパーにとって年間で一番の稼ぎ時でもあります。
今年もスーパーやコンビニ業界ではさまざまなニュースがありました。今回は私が感じた「スーパー業界今年の3大ニュース」をわかりやすく解説します。
食品スーパー業界の注目ニュース①セブン&アイホールディングスの買収騒動
このところ業績が振るわず、経営再建のために不採算店の閉店を加速させてきた「イトーヨーカドー」。この会社は「セブン&アイ・ホールディングス」(以下、セブン&アイHD)という会社の傘下にあります。
ほかにも「ぴあ」や「赤ちゃん本舗」「セブン銀行」「ロフト」など関連企業がありますが、中でも一番業績がいいのが「セブン-イレブン」です。
このコンビニシェア世界第1位のコンビニ「セブン-イレブン」が欲しくて、カナダの同第2位のコンビニチェーン「クシュタール社」が、親会社であるセブン&アイHDごと買収を提案してきました。成立すれば世界最大のコンビニチェーンが誕生することになります。