今まで、統括っていう役職だし、言ってることはめちゃくちゃだし、この統括さんが諸悪の根源なのかもしれないと思っていたんですが、末端の尻拭い役だったんですね。疑ってごめん。今後も忙しくなると思うけど、どうかご自愛ください。
というわけで、第64回です。なんだかここのところ、毎回ワーストを更新してくるぜ!
「もっとほら、手を上げて!」
結を追い払い、真昼間のクラブに翔也(佐野勇斗)を連行したアユさん(仲里依紗)。シャンパングラスを傾けながら、翔也にギャル魂をレクチャーしています。
「今を楽しめ」「生きてるんだから」
翔也という人は、学生時代から野球漬けの毎日を送り、中学ではノーヒットノーランを連発。野球留学で北関東から九州の名門に入学するも、あと一歩のところで甲子園出場を逃し、夢だったドラフトからも漏れてしまった男です。それでも気持ちを切り替え、社会人に進んで一度はエースを張った。高校時代には存在すら知らなかった「へんかきゅう」という武器も手に入れ、再度プロに向けて前を向き始めた矢先に肩を壊してしまった。そういう人に、昼間から酒を飲ませて「今を楽しめ」と言う。
このドラマでは、翔也が「野球をやめると誰か(結と会社ね)に伝えた」シーンはありましたが、「野球をやめると決めた」瞬間は描かれていません。普通、その「やめると決めた」瞬間が説得力を持って描かれていない場合、視聴者側はまだこの人は野球に未練があるのだと判断します。
つまり翔也には、手術を受けてリハビリをがんばるという選択肢も残っているんです。可能性は低いけれど、このケガから再起できたケースだってある。医者はそう説明している。翔也自身も混乱しているし、髪を染めたりという奇行に走っているし、冷静な判断を下すにはもう少し時間がかかりそうだ。そういう状態の若者を年長者であるアユが酒席に連れ出して、酔っぱらってクダを巻いて「おめえも飲めよ」と言っている。「飲んで酔っ払って、嫌なことを忘れて今を楽しめよ」と。