小さな失敗でも、重ねることで解像度が上がっていきます。何が良くなかったのか、こうすれば良いのかと試行錯誤をすることで、完成に近づいていきます。そして、そのプロセスを通じて自信も積み上がっていきます」

◆似合う服の中に、着たい服がなくなってしまった過去

――以前の記事で、「私は△△だから、○○な服を着なくてはいけない」と悩んでいる方々のお話を聞きました。marieさん自身は、「似合う服」より「着たい服」を選ぶようになって、どのような変化がありましたか?

marie「着たい服ではなく似合う服を着ていた時は、私も、相談者の皆さんとほぼ同じ気持ちでした。地方に住んでいるので、『こんな格好で田舎のスーパーに行ったら浮くよな』のように、近所の人やママ友の目が気になっていました。

それに、私も『お母さんらしく年相応の服装でいるべき』と考えていたんです。だから、着たい服ではなく、似合う服を選んでいました。でも、年を重ねるうちに、似合う服の中に自分が着たい服がなくなってしまったんです。何を着ればいいのか、迷子になったような状態でした」

◆ご近所さんに非常識だと思われたら……

――「似合う服」「場面や立場に合う服」ばかり気にしていたら、「着たい服」がなくなる、これも30代・40代女性あるあるな気がします。

marie「私も、年相応じゃなきゃいけないという思い込みから、ショートパンツを履くのにすごく抵抗があった時期がありました。でもある日、どうしてもショートパンツを履きたくなって、実際に履いてお出かけしようと玄関の扉を開けたんです。そしたら偶然、ご近所さんが家の前でお話をしていて……。『なんでこんな日に限って』と思い、一度家に戻ろうと思ったんですが、目も合ってしまったし、戻るに戻れなくなりました(笑)。

そんな時に、私は何をそんなに恐れているんだろうと考えたんです。その時、私が出した答えは『年相応じゃない服を着ている、非常識な人って思われるのが怖い』だったんです。でもそこから、ご近所さんに非常識な人だと思われたら、私の人生にどんな影響があるんだろう? と考えました。そしたら、何もなかったんですよね。