King & Princeは今年5月に平野、神宮寺、岸優太が脱退したが、5人体制の最後に華を添えようとファンの推し活が過熱し、6月に発表された「オリコン上半期ランキング2023」で期間内売り上げ184.1億円で「アーティスト別セールス部門 トータルランキング」の1位を獲得。5人体制最後のシングルとなった『Life goes on/We are young』は発売から3日足らずで100万枚の大台を突破し、デビューシングル『シンデレラガール』も3人の脱退前にミリオンを達成させたいと購買運動が広がり、実際に累計100万枚に到達した。YouTubeでも、シングル「ツキヨミ」のミュージックビデオ再生数がジャニーズ初の1億回に到達し、チャンネルの総視聴回数が10億回に達するという大記録を打ち立てた。

 こうした推し活は売上的な観点でいえばありがたいはずだが、ファンの金銭的・時間的な負担が大きかったのも事実で、永瀬と高橋は感謝しつつも「無理しないで」と呼びかけた形になる。こうした状況から、事務所トップである滝沢氏の今回の発言は「ファンの過剰な推し活を煽っている」とみられかねず、ネット上で騒動が拡大する要因の一つになっているようだ。

 滝沢氏は「コンサートをするには20曲以上必要。曲作りに時間がかかり、曲数がそろわないので当面ライブはない」としており、音楽配信の成否がTOBEのスタートダッシュのカギとなりそうで、だからこそ、思わず再生数への言及で熱が入ってしまった部分もあったのだろう。世界進出への強い意志があることは頼もしい限りだが、ランキング入りを重視するあまり、ファンに過度の負担を強いると誤解されかねない発言をするのは、イメージ戦略の観点からも避けたほうがよさそうだ。