さらに、白イカのにぎりには「舌中に(味が)まとわりついて、旨味がくっついてくる。新次元のイカ」、毛ガニのにぎりには「カニの旨味が爆発してる中に、つなぐ感じでシャリの旨さがくる」、シマエビに対しては「エビを3、4噛みしたところで味噌の旨味が回ってきて、しかも味噌の香りが立つ」と興奮して見せたかと思えば、マグロの赤身には「……酸味と……バランスがすごくいい……」と声を潜めて感慨を演出する。まるで次々に出てくる寿司のコースに寄り添うような、食レポのフルコースである。
ずっとテレビの仕事をしているのだから、佐久間ならそれくらいできても当然だろう。そう思われるかもしれない。
確かに、毎週1時間半の生放送である『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)は5年目を迎え、今春からは深夜バラエティ『オールナイトフジコ』(フジテレビ系)のMCも務めている。数々のCM仕事も舞い込み、先日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、東野幸治が「マツコ・デラックス以来の衝撃」と評するほどの存在である佐久間。出役としての実績も、重ねてきてはいる。
だが、それでもやはり、今回の寿司の食レポには、佐久間のタレントとしての成長を感じずにはいられないのだ。
2年前、佐久間は生まれ故郷である福島・いわき市にいた。地元テレビ局が制作するロケ番組『サクマ&ピース』(福島中央テレビ)に出演していたのだ。共演は、同郷のアルコ&ピース・平子祐希。詳細は省くが、佐久間が“出役”として活動し始めるきっかけを作った人物でもある。
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