例えばジュニアと佐久間の前に供されたのは、厳選された食材に丁寧な仕事を施された、あん肝のつまみ。
これを口にしたジュニアは、「すごいわ、これは……ケーキや……すごい……」と、言葉を失ってしまう。トークに関しては達人中の達人であるジュニアでさえ、目を丸くして圧倒されるしかないその味について伝える作業を、ここで佐久間が引き取る。
このとき、おそらくは佐久間の中で、「ジュニアさんのリアクションで衝撃は伝わったはず、あとは具体的な味の説明をしなければ」という責任感が生じたのだろう。タレントとしては新人でも、番組作りについてはエキスパートだ。
このあん肝について、佐久間が驚愕の食レポを披露する。
「口に入れた瞬間から原型をなくし始めるのに、味だけはずっと口の中で爆発し続ける……」
なんという、具体的で感情的な表現。しかも、あん肝が舌に触れてから飲み込むまでの時系列まで感じさせてくれる。ここまでパーフェクトな食レポは、あまり記憶にないほどだ。
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