ジャニーズ主演の刑事・探偵モノは3作も
そして刑事・探偵モノのジャニーズ主演作は今期3作も存在する。いち早くスタートしたのは生田斗真主演の『警部補ダイマジン』(テレビ朝日系)で、三池崇史監督との『土竜の唄』タッグによる連ドラということでも話題。作品は、長瀬智也主演でドラマ化されたことでも知られる『クロコーチ』と同じ原作・作画の同名マンガの実写化で、法では裁けない悪人を自らの手で裁く捜査一課のエース・台場陣(生田斗真)が、元警視監ということで逮捕に追い込めない悪人を殺害してしまい、そのことを特命捜査対策班の室長・平安才門(向井理)に知られ、才門に「動く暴力装置」としてコキ使われるという物語。ドSの向井理に振り回される生田斗真という構図のバディが魅力的だ。
SixTONES・松村北斗となにわ男子・西畑大吾のW主演となる『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系)は、青崎有吾による同名小説シリーズの実写化となる探偵ミステリ。「不可能」犯罪のトリックの解明を得意とする御殿場倒理(松村北斗)と「不可解」な動機や理由を解明する片無氷雨(西畑大吾)の異色のW探偵バディもので、2人の同級生となる刑事役に石橋静河、同じく同級生の犯罪コンサルタント役に早乙女太一といったキャスティングも魅力的。ただ、初回は1時間だったものの、通常の30分回では解決編と2話にまたがる構成になるようで、まだ第3話までの放送ではあるが、1話完結とならないテンポの遅さが惜しいと感じられる面も。倒理と氷雨の関係性をどこまでおもしろく描けるかがカギとなるだろう。
8月12日には、NEWS・増田貴久主演の東海テレビとWOWOWの共同制作ドラマ『ギフテッド』のシーズン1がスタート。『金田一少年の事件簿』などで知られる天樹征丸の原作マンガの実写化で、並外れた推理力を持つ天才刑事の天草那月(増田貴久)が、“殺人者”を識別できる特殊な目を持つ高校生・四鬼夕也(浮所飛貴/美 少年、ジャニーズJr.)と知り合い、バディを組むことになるというファンタジー色の強いミステリだ。同じく東海×WOWOWでジャニーズ主演の『准教授・高槻彰良の推察』シリーズ(伊野尾慧主演、神宮寺勇太共演)を思わせる設定で、実際にチーフプロデューサーも共通している。前述のように今期は『警部補ダイマジン』『ノッキンオン・ロックドドア』もあるため、それぞれに個性は異なるとはいえ、『ギフテッド』の初回はやや地味に感じられたが、四鬼家の面々が登場し、夕也の過去が描かれてからが本番だろう。シーズン2がWOWOWで10月14日から放送・配信予定ということがすでに決まっていることもあり、観る人を選びそうではあるが、シーズン2も観たくなるような盛り上がりを期待したい。