これを書いたのはジャーナリストの大宅壮一なんですが、独特の悪意が感じられる一文になっています(笑)。良家出身というバックグラウンドは同じでも、世代差は隠せないようですね。
――会の雰囲気が厳かというか、特殊というか……。学校のOGの集まりとは思えない面々です。皇后陛下が常磐会の総裁を務められるとのことですが、美智子さま、雅子さまは学習院出身者ではないですよね?
堀江 そういう理由で、常磐会に総裁は現在置かれておらず、会長がそのトップということになります。最近、三笠宮家出身の元皇女である近衞甯子さんから、旧皇族夫人である竹田恭子さんに会長職が受け継がれました。なんにせよ、皇族・旧皇族にゆかりのある方が選ばれるという傾向は変わりないようですね。
この常磐会が特殊なのは、参加資格が限定されていることなのです。戦後にできた女子短大や学習院大学の女性卒業生は、入ることができません。女子短大や学習院大の女性卒業生は、学習院の男子卒業生の団体「桜友会」に入るという、かなり斬新なことになっているのです。
――幼稚園〜高校の間に入学した女性生徒のみが入会できる狭き門、なのですね。
堀江 昭和47年(1972年)6月24日号の「微笑」に掲載された「浩宮妃は常磐会から… 高貴なる秘境・女子学習院同窓会『常磐会』の内幕をさぐる」と題された記事から引用すると、「もともと学習院は、幼稚園からの一貫教育をめざす学校。天皇家の例をみてもわかるように、どうしても学習院でなくてはならない人たちは、まず幼稚園に入り、小、中、そして高等科へとすすむ。途中から入学試験で入ってくるのは、むしろ“外様”。貴族の血は、下へ行くほど濃いのである」。
しかし、幼い頃から学習院で教育を受けた男性卒業生も同じなんですが、あえて女性だけで固まっているというあたりに常磐会が「高貴なる秘境」と呼ばれ、世間からは好奇の目で見られ続けた歴史がうかがえるような気がします。