■本質より体裁が大事なんだ
花火の審査って、普通に考えてその花火を打ち上げることだと思っていたんですが、やっぱりその通りでした。審査の日、太陽くんの花火は長崎の空に上がりました。審査では本番と同じ花火を上げなければ意味がないですから、町のどこからでも空を見上げれば、太陽くんの花火を見ることができる状況でした。
もし太陽くんが誰もが認めるプロの花火師だったら、事前審査で本番と同じ花火を上げることはありません。未熟だったからこそ、2人は「花火を見せたい/花火を見たい」という夢を共有することができる状況が生まれた。悩んで、回り道をしてきたことが、ここで報われることになった。そういうところに美徳を見出すことだってできるんです。でも、しないんです、このドラマは。
雨ちゃんは審査の日、自宅のソファでその結果を待っていたのでした。なんでだ。空を見ろよ。空を見ろって。
要するに桜祭りの本番じゃなきゃ意味がない。意味がないに決まってるんだよ。
本質より体裁が大事なんだよ。
ティーンに向けて、いい大人がそういうことを言っている。人の価値観はそれぞれですから闇雲に否定するわけじゃないけど、嫌な考え方です。信用できない。