◆新しい“姫”がやってきて、転落が始まった
「最悪ですよ。24歳の生意気な子が入ってきて、しかも登山経験者とかでバリバリ体育会系なんです。私は文系だから話も合わないし、筋トレとか登山グッズの話ばかりでつまらない。男どもも専門用語を使って勝手に盛り上がっちゃって、私のことを前ほど気にかけてくれない。
この間なんて、ごはんも行動食も用意してくれなくて、『荷物を持とうか』っていう最低の気遣いもなくて。レディーファーストが皆無なんですよ! さらにガソリン代も普通に請求されちゃって、もうなんなの!?って……」
サークル内の構造が入れ替わり、ちやほやされることが少なくなってしまった吉村さん。
仕方なく数少ない女性メンバーと交流をはかりますが、それまでのワガママっぷりから仲良くしようと声をかけてくれる人はいなかったそうです。
◆“姫は女王にはなれない”と言われハッとした
「正直もう辞めようと思って、サークルの副リーダーのおばさんのところに行ったんです。40代後半くらいかな。辞める理由は『人間関係が辛くなった』って伝えました」
すると、今まで姫の行いを見ても黙っていた副リーダーからこんな言葉が……。
「『あなたね、“姫は女王にはなれない”のよ』って。家に帰ってじっくり考えてみました。結局私より若い子が入ったら、みんな手のひらを返したようにそちらに行ってしまって。そして私のことは放置状態ですよね。
サークルの姫っていう自覚は自分ではありませんよ。でも、冷静に振り返ってみると、若い子に勝てる要素なんてありません。そして女王になるような知識や経験も、人徳だってあるわけじゃないし……。その女性の言葉が痛いくらい沁みました」
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