◆遺族と大家の間に挟まれる苦労も

介護職の20代女性のゴミ屋敷化した部屋
介護職の20代女性のゴミ屋敷化した部屋。清掃前の様子(提供:ブルークリーン)
 そういった大変さもありつつ、家主が孤独死を迎えた現場では、遺族と物件のオーナーとの間に挟まれる苦労もあるといいます。

「体液がドロドロに染みた部屋など、現場の環境には慣れてきました。ただ、孤独死を迎えた家主の方との関係が希薄で、ご遺族が特殊清掃時に『いらないので、すべて処分してください』とおっしゃったときには心が少し痛みました。ご遺族と大家さんのどちらが作業費用を負担するかで揉めることも多く、調整は苦労します」

 それでも「やりがいが勝っている」と語る長島さん。将来像も描いています。

「内勤の事務職から営業職へ異動して、私の経験を今後の業務改善に生かしてみたいと思うようになりました。会社が若く、新規スタッフも定期的に入ってきたんですけど、頼れる先輩としてサポートし、いずれはチームを育てたい気持ちも強いです」

 転職によって、仕事への新たな意欲がみなぎってきた長嶋さん。現場での話を明かす表情は明るく、やる気に満ちていました。

<取材・文/カネコシュウヘイ>