◆高額の「治療」に悲鳴
当時は派遣で働き、実家とは絶縁。特定のパートナーもいなく、誰にも頼れない状況だった。仕事をやめれば、すぐに生活が立ち行かなくなるが、化学物質過敏症の原因物質を取り扱う職場で働きつづけることはむずかしい。
そこで、休職(ひいては失業保険受給)のために診断書をもらいにきたのだ。とりあえず1カ月分のサプリを買ったとしても、継続して飲むことは金銭的に無理だった。
ちなみにコエンザイムQ10 とは、2001年に食品規制の緩和によって、健康食品への配合が可能になった補酵素のこと。うっ血性心不全の症状改善に使われていた医薬品のコエンザイムQ10(ユビデカレノン)もあるのだが、「化学物質過敏症には処方できないと聞いた」とナオさんは説明する。