◆看護師から「クサい!」はじめての病院で衝撃体験
「化学物質過敏症は体の不調に加えて周りに理解してもらえないつらさもありますが、頼れる医者に出会えなかったのも、かなり悩ませられた部分です」
当時はいま以上に、化学物質過敏症は「よくわからないもの」とされていた。「研究や解明が待たれる」という状況で、専門とする病院は少なかった(いまでも少ないだろうが)。
しかし幸いにも、通える距離の某有名病院に専門外来が設けられていた(現在その病院は化学物質過敏症の診察を終了している)。そうとなれば選択の余地なく、そこへ予約を入れた。
普通なら「ラッキー」と言えそうだが、ナオさんの場合はそれが迷走(いわば沼の入り口)のきっかけとなってしまった。
「クサい!」
満を持しての診察当日。まずはじめに、ナオさんは更衣室で看護師に怒られた。ナオさんから漂うシャンプーの香りが強いという指摘のようだ。