「血でも法律でもつながってないですからね」「弱いもんですよそばにいただけの他人なんて」とさみしい気持ちになっているところを、ものすごーく上から引きで撮影することで、津野くんと三島が小さく映り、その遠い距離は、海の家族になれない寂しさのようだった。
◆子供連れ再婚した月岡家と海との対面
一方、月岡家と海はいよいよ対面を果たす。大和と海、それぞれにカメラがぐーと寄っていくことで、互いが互いを注目しているのがわかる(今週の演出はチーフの風間太樹)。
月岡家の場合は、子供連れの再婚で、夏と和哉、ゆき子と大和は、血のつながりはないながら法律ではつながっている。大和は血のつながっていないゆき子と関係性は友好だが、「お母さん」(亡くなった母)と「ママ」(ゆき子)と呼び分けていて、その秘密を海と共有する。
◆血がつながった人もつながってない人も混ざって新しい家族へ
終盤は、畳み掛けるように髪、髪、髪。弥生は美容サロンに行き、見知らぬシンママが美容師と話している内容を小耳にはさむ。ここにもまた、美容に使える時間もお金も潤沢ではない人がいる。
津野くんは自宅ソファの隙間に海の髪ゴム(冒頭の回想でつけていたもの)を見つける。海は津野くんの自室にも来ていたのだと思うと、同情を禁じえない。津野くんは夏と比べて、髪を結うのもドライヤーをかけるのもたぶん巧いだろう。
南雲家では、夏が海の髪にドライヤーをかけている。ものすごーく距離をとっておそるおそる乾かしている夏に、朱音も、海も、じりじりしている。他者との距離を異常なまでに取ってしまう夏はなんて不器用なのだろうか。
だが、それでも楽しい我が家。4人分のおコメを何合炊くか翔平はわからない。たぶん、はじめての4人暮らしなのだろう(水季がいたときは3人暮らし)。朱音と翔平は未知なる4人分のおコメを炊く生活にわくわくしている。