第5回にしてようやく少しほっこりできた。月9『海のはじまり』(フジテレビ系 月曜よる9時~)はこれまでずっと京都の夏のように湿度が高かった。

それが第5話では、夏(目黒蓮)が海(泉谷星奈)を月岡家の家族に会わせるなど、ほどよい適温状態に。弥生(有村架純)のメンタルも安定してきてなによりだった。

(C)フジテレビ 
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◆海(娘)、海(sea)、産み、罪と来て今回は「髪」

海(娘)、海(sea)、産み、罪(堕胎をした罪ではないが弥生が抱く罪悪感的なこと)と日本語ラップの韻のようなモチーフが連なっている『海のはじまり』。今回は「髪」だった。ちなみにスピンオフは「兄」(のはじまり)。

他者の髪に触る行為は親密さの表れだ。美容師やヘアメイクスタッフ以外、関係が近くないと髪の毛をいじることはない。美容師やヘアメイクスタッフだって気心が知れた人でないとなかなか任せたくないものだ。

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冒頭は、水季(古川琴音)と海(泉谷星奈)の回想場面で、朝、出かけに水季が海の髪を結ぶ。時間もお金もないシンママはかわいくできないのかと子供に心配させないように、青山のカリスマ美容師に髪を切ってもらおうと水季は明るく振る舞う。住んでいる部屋は時間もお金もなくは見えない。番組の途中で流れるイオンのCMにちょっと似ている。

そして現在。水季の実家で、前回、株をあげた南雲翔平(利重剛)がお風呂上がりの海の髪を梳いている。もろこしご飯の準備をしながら、夏は、海の話を実家の家族たちにまだしてないことを朱音(大竹しのぶ)に執拗(しつよう)に口撃されてむっとなる。

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やると言いながら腰をあげないことをお風呂に入ることを例に出して語られ、それとこれとは違うのではないかと夏は納得がいかなくて。でも、たとえこんなふうに論点がズレても、それで崩壊するほどの険悪さはまったくなく、なんだかほのぼのしている南雲家。夏がこんなにも朱音に反抗できるのは距離が縮まってきた証拠であろう。