◆野菜の栄養を取りこぼさない方法って?
――どのようにすれば効率よく野菜の栄養を取れるでしょうか?世の中でよく耳にする3つの事例について、解説お願いします!
まずは…「ブロッコリーは、ゆでるよりも電子レンジ調理のほうが、水溶性のビタミンCをのがさず取ることができる」コレってどうなんですか?
「加熱時間が短いことで栄養素の損傷を減らすことができます。またビタミンCは水溶性(水やお湯に溶けやすい)の特徴を持つために、茹でるよりもレンジ加熱の方が流失を回避できますよ。
レンジ加熱でおいしい温野菜に仕上げるコツは、ラップをかけるのではなく、水で濡らしたキッチンペーパーの方がオススメです。蒸気が程よく外部に抜けてべちゃべちゃ食感を防げます」
――簡単便利なレンジのほうがいいなんて朗報です。次に「人参に多く含まれるβ-カロテンをとるには、油と一緒にとるために中華料理など炒めものがよい」はいかがでしょうか?
「βカロテンは油脂類に溶ける脂溶性の栄養素。つまり、油に溶けると吸収率が良くなることがわかっています。炒め物以外にもサラダのドレッシングに油を加えたりする工夫も有効です。
デリなどで人気のキャロットラぺはオススメです。生のニンジンを千切りにして、オリーブオイルやビネガーなどと和えれば完成。作り置きも可能です。その他、自家製ドレッシングとしてニンジンのすりおろしとお好みのオイルを合わせれば、サラダを食べる時にも活躍してくれます」
――おしゃれなキャロットラペが、栄養の面でもよいとは驚きです!あと、これも興味深いなと思ったのですが「ヨーグルトと野菜を一緒に食べるとよい」こちらはどうでしょう?乳酸菌が作り出すEPSという成分がカギを握るようなのですが…
「これは最近発表された研究成果ですね。ヨーグルトと一緒に摂ることで野菜に含まれるカロテノイドの吸収を促進することが明らかになりました。私たちにとってヘルシーでありながら手軽に摂取できるヨーグルト。ヨーグルトをデザートとしてだけでなく、野菜と一緒に摂取することができれば、緑黄色野菜などに多く含まれるカロテノイドを効率よく摂取することができます。
野菜や果物と一緒にヨーグルトを加えて攪拌したスムージーが最もオススメです。また、無糖ヨーグルトに味噌や醤油、ハチミツを混ぜて野菜のディップソースにすると、サラダのようにたっぷり味わうことができます。もちろん無理して料理にヨーグルトを取り入れることが苦手な方は、野菜料理を食べる際に必ずヨーグルトをセットで食べるように覚えておくと良いでしょう」
カラダが喜ぶ野菜。せっかくなら栄養をたっぷり吸収できる方法でとれるとより良いですよね。
さっそく今日から、効率よい方法で野菜の栄養をとって体を整えましょう!
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。twitter:@joshispa、Instagram:@joshispa