◆それでもスクールをやめない理由
話を聞いていると「そんなスクールやめちゃえば?」と思うが、大金をつぎ込んだ以上、彼女たちはそう簡単に引き返せない。
「みんな、X先生をカリスマのようにもてはやしますが、本心ではなく、いかに有利に便宜をはかってもらうかの競争からだと感じています。もともとが、ヒーリングを真剣に学びたいというよりも、オシャレさや稼げるという謳い文句で集まってきた人たちも多そうですし。それっぽいビジュアルで、SNSでキラキラ発信をしているハワイのスクールの傘下としてビジネスしていると、日本のアロマテラピー協会と比べても 見栄えはしますよね。スクールは、ハワイの高級住宅地区にあります。そこでヒーリングについて学ぶ時間そのものは、非日常感がありとても素敵なものでした。そんな場所で、本物に触れて自由な人生を手に入れようと鼓舞されるのですから、X先生についていけば自分も輝けると錯覚した人も多いでしょう」
Oさんは結局、別のスクールで10万円ほどかけて足りない知識を補った。いざ日本で認定講師として活動を始めると、サポートしてくれるはずのスクールとまたもやトラブルが発生する。
「自分が開催する講座で使うハーブや精油などはX先生のスクールから購入しなければならないのですが、送られてくるハーブが生乾きだったこともありました。現地でX先生夫妻が庭で作っているブツもあるので、本当に適当です。雑貨扱いで検疫も通されていないようですが、植物なのに大丈夫か……!? と不安しかありません。ハーブを大量に輸入して税関で引っかかり、まともに対応してもらえない認定講師もいます。ほかにも明らかに香りが違う精油が送られてきたり、輸送中に容器から漏れてしまい、中身が減っているものも。なのに返品交換に応じてくれず『何か漏れちゃうんだよねー』『張り替え用のシール送るわ』。容量が足りないことを言っているのに、液漏れで汚れたラベルを張り替えるしか選択肢がないって何なんでしょう」