漫才は年寄りのもの。そういえば昔、漫才ブームというものがあったらしい。現代はコントが主流。『ごっつええ感じ』(フジテレビ系)、おもろいやん。

 2丁目劇場の「漫才禁止令」は、関西の漫才文化を一度殺しかけた。関東にはそもそも、漫才文化などなかった。

 その漫才の状況に危機感を抱いた吉本が、漫才の復興をかけたキャンペーンを行うことになった。そして、そのキャンペーンから、新しい新人漫才コンテストが誕生する。「漫才禁止令」から4年、あの日、2丁目劇場からほうほうのていで逃げ出した漫才師が、そのコンテストの初代王者となる。

 そのコンテストの名は、『M-1グランプリ』という。

(文=新越谷ノリヲ)