当時を知る関係者の話を総合すると「漫才の質の低下に尽きる」という。

 若い女性ファンが客席のほぼ100%を占める劇場では、芸人が何をやってもウケてしまう。漫才でも、フリの段階や甘噛みでウケてしまう。逆に本ネタはファンに覚えられてしまい、ウケが弱くなる。徐々に芸人は漫才を作り込むことをあきらめ、適当なエピソードやフリートークばかりを披露するようになる。そちらのほうがウケがいいからだ。2人で舞台に出てきてダラダラとしゃべって帰るというスタイルへの憧れ、つまりはダウンタウンの影響も多分にあったのだろう。

「漫才禁止」を掲げた2丁目劇場は99年3月に閉館。所属芸人は同年9月にオープンしたbaseよしもとに引き継がれていく。

 2丁目劇場の「漫才禁止令」は、関西における漫才の衰退に大きな影響を及ぼしたといわれている。漫才師たちは活動の場を奪われ、解散に至った有名コンビもいた。