FOCUSは、社会的硬派なニュースを中心に写真誌という新しいジャンルを作り出したが、FRIDAYは初めからスキャンダルと芸能ネタに絞り込んで創刊した。

 当初は相当危ない取材をやったため、写真週刊誌の取材方法に疑念を抱かれたが、それでも芸能&隠し撮りを中心とするFRIDAYがFOCUSを抜き、写真週刊誌の頂点に立った。

 文春や小学館、光文社も写真週刊誌を次々に創刊する。

 まさに写真誌戦国時代が始まった。一時は、FRIDAYとFOCUS、その他の写真週刊誌を含めて500万部から600万部の発行部数になったといわれている。

 しかし、ビートたけしの彼女の取材の不手際から、たけし軍団がFRIDAY編集部に殴り込み、副編集長にケガを負わせるという傷害事件が起きた。

 ビートたけし側も大きな痛手を負ったが、それまでの写真週刊誌の取材方法に疑問を投げかけていた新聞やテレビが一斉にFRIDAYの取材方法を批判して、それが次第に大きな世論となり、あっという間に写真週刊誌の部数が凋落していった。

 私がフライデーの編集長に就任したのは、その凋落の一途をたどっていた時であった。

 200万部近くあった部数が70万部、60万部となり、編集部員たちは、早く、この編集部から抜け出したいと、多くの部員が私のところに相談に来た。

 私は編集長に就任前は、FRIDAYと名乗って取材のできない編集部は、継続していくことが難しい、休刊したほうがいいのではないかと主張した一人であった。

 私は、私の手でFRIDAYを休刊するつもりで編集長を引き受けた。

 それまでの“みーちゃった、みーちゃった”路線を変更して、写真がなくても、ニュースとしての価値があれば取り上げる誌面に変更した。

 フォト・ドキュメンタリーも多く取り入れ、ノンフィクション・ライターの人たちにルポルタージュを書いてもらうこともやってみた。

 キャッチフレーズは「ヌードもニュースだ」。