1979年12月にリリースされたシングル曲「ユー・メイ・ドリーム」は、シーナ&ロケッツを代表する曲となった。当時、YMOとして大活躍していた細野晴臣がプロデュースしたアルバム『真空パック』の収録曲だ。テクノっぽさを感じさせる曲だが、本作ではデモ版となる「ユメ ユメ ユメ」の音源を聞くことができる。原曲はかなりロック色の強いものだった。
寺井「生前の鮎川さんがリリースを企画して、整理していた音源のひとつです。日本のロック史、ポップス史を知る上で重要なものだと思います。この音源が加わったことで、音楽ドキュメンタリーとしての厚みも出たんじゃないでしょうか」
シーナは病気が発覚する直前のライブで、「シーナ&ロケッツのステージで歌うことが、私の夢でした」というMCの後に「ユー・メイ・ドリーム」を歌っている。「ユー・メイ・ドリーム」は単なるヒット曲ではなく、2人にとってとても大切な曲だったことが分かる。
寺井「鮎川さんはよく『俺はシーナのねじ巻き人形だから』と語っていました。突進力のあるシーナさんに引っ張られてきたことを実感していたようです。シーナさんとの生活があったからこそ、鮎川さんはずっと純粋でいられたんじゃないかと思うんです」
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