ANA、JALを「利回り」で比較するとどうなる?
2018年8月13日の株価が、ANAは3805円ですから、100株買うために必要な投資額は38万500円です。同じく、JALの株価は3960円ですから、100株を買うために必要な投資額は39万6000円です。
ANAとJAL、どちらがお得?
ANAの配当は3月のみですが、JALは中間、期末の2回に分かれています。年間で比べるとJALの方が配当利回りはだいぶ高くなっています。一方、株主優待についてはANAの方がラインナップが豊富で手厚い内容です。
ANAグループのホテルなどを実際どれくらい使うかや、自分がよく利用する路線次第でしょうか。
もし、優待を使わないなら
ANAもJALも、優待券は株主でなくても使用できるので、期限内に使いきれない優待券をネットオークションや金券ショップへ売りに出す人もいるようです。1枚3000円~4000円程で売られているケースが多いようです。
ANAホールディングスの株価の動向は?
ANAホールディングスの過去10年間の株価の動きを振り返ってみました。
過去10年間の最安値は2012年12月28日で1810円(※)まで下落しました。その後、アベノミクスを合言葉に、多くの日本株とともにANAホールディングスも上昇の波に乗り、特に、2016年の後半から上がってきています。
企業の業績も順調に伸びています。航空業界は世界で競争が激しく、燃料費や人件費が高く「高コスト体質」と言われますが、しっかりと業績を伸ばしています。
また、ROE(アールオーイー:自己資本利益率)が大きく改善されているところも好感がもてます。ROEとは、株主が投資したお金が、どのくらい効率よく収益をあげたのかをみる指標です。一般的には10%を上回ると優良といわれます。15%以上になると株主からの評価も高くなり、株価が上昇する要因になるといわれます。こうしたことから、投資家はよく見ている指標のひとつといえます。
ANAホールディングスのROEは、2015年3月期は5.1%だったのですが、毎年改善され、2018年3月期は15.1%となっています。
一方、企業が出す利益に対して株価が割安か割高かをみる意表のPERは12.78倍(会社予想)となっており、同業他社のJAL(12.76倍)、エイチ・アイ・エス <9603>(20.85倍)、西日本旅客鉄道 <9021> (13.34倍)を見てもそれほど高い水準とはいえません。
まとめると、PERは「標準」もしくは「やや低め」、ROEは良好、配当もあり、業績も順調と、数字の面では投資対象としては申し分ない内容です。
新興企業のような突出した個性があるわけではありませんが、安定した大企業として、安心して長く持てる銘柄です。