国内線に半額で乗れる株主優待が人気のANAホールディングス <9202> 。旅行や仕事で飛行機に乗る機会が多い人は、一度は「航空会社の株を買おうか」と考えたことがあるのではないでしょうか。

株主になるなら知っておきたいことを分かりやすく解説します。

ANAホールディングスってどんな企業? 

(写真=tynyuk/Shutterstock.com)

ANAホールディングス<9202>は東証1部に上場しており、国内線、国際線ともに日本の空運業でトップクラスの企業です。通称は全日空やANAとしておなじみですね。

ANAグループは国内のマーケットシェアが49.8%で首位となっています。国内線は52都市、国際線は42都市に就航しています。 ANAのサービスは国際的にも評価が高く、英国ロンドンに拠点を置く航空会社の格付け会社、SKYTRAX社が運営するエアライン・スター・ランキングで、最高評価の「5スター」を6年連続で獲得しています。

ANAホールディングスは、こうした「航空事業」をはじめ、空港での旅客ハンドリングなどを行う「航空関連事業」、旅行商品の企画販売を行う「旅行事業」、空港の売店などの「商社事業」を行う子会社の株式を保有する持株会社です。2013年4月にこの「持株会社制」に移行した際に、社名をANAホールディングスに変更しています。新体制では、グループ全体の経営戦略策定等を行うANAホールディングス株式会社、子会社120社、関連会社45社で構成されています。

傘下にはバニラ・エアとピーチ・アビエーションもあり、フルサービスを提供するANA(全日本空輸株式会社)と、徹底してサービスを簡素化したLCC・格安航空の両輪で売上と利益を伸ばしています。

また、経営組織の改革のひとつとして、2019年度末までに傘下の航空会社であるピーチ・アビエーションとバニラ・エアの2社を経営統合すると発表しています。LCC(格安航空)事業については、2018~2022年度の中期経営計画のなかで、「LCC事業の売上高を対17年度比で倍増し、営業利益を200億円(営業利益率11%)にする」という目標を揚げています。さらに、従来の短距離路線だけでなく、2020年までに東南アジアなどの7~8時間圏内の中距離路線へ進出するとしています。

ANAの株主優待は大人気!運賃が半額に!?

(写真=Artem Oleshko/Shutterstock.com)

ANAホールディングスはなんといっても株主優待が人気です。主な優待は2つ。

  1. ANA国内線ご搭乗優待(年2回)
  2. ANAグループ各社・提携ホテルご優待(年2回) 優待の対象者は3月末、9月末時点で100株以上所有している株主となります。有効期間、発行時期は以下の通りとなっています。
  3. 3月末の株主:6月~11月末(5月末発行)
  4. 9月末の株主:12月~翌年5月末(11月末発行) 搭乗便の変更ができるところは株主優待の嬉しい特徴です。値段が安いだけなら「特割」「旅割」といった早期購入割引もありますが、急な予定変更で搭乗する便を変更したくてもできないのが使いづらいところです。その点、株主優待は、有効期限内であれば何度でも変更できます。

    航空運賃の割引以外でも、パッケージツアーやホテルの優待などかなり手厚い内容です。優待について詳しく見ていきましょう。

    (1)ANA国内線ご搭乗優待とは?

    ANAの国内線ご搭乗優待とは、国内線の片道運賃50%割引のことです。

    ただ、国内線の運賃に「ANA FLEX」という新しい制度が導入されるのに併せて、2018年10月28日の搭乗分からは優待券の内容も「ANA FLEX-D」運賃の50%割引へと変更されます。

    ANAはこれまでのいわゆる“普通運賃“である「片道運賃」「往復運賃」を廃止し、2018年10月28日から「ANA FLEX」という新しい運賃を導入します。ANA FLEXは、空席予測数に連動して運賃が変動する制度のことで、便ごとの空席予測数に応じてA~Dのうち予約・購入可能な最安運賃が案内されます。

    つまり、国内線の各便は空席が多ければ多いほど航空券は安く、少なければ少ないほど高くなるという仕組みというわけです。このうち、ANAホールディングスの株主には、FLEX-Dという「空席が最も多かった場合の片道料金」の50%が割引される優待券が配られる、ということになります。

    また、これまでは優待運賃は搭乗日の2ヵ月前からしか購入できませんでしたが2018年9月3日の発売分から、搭乗日の355日前から購入できるようになるのはうれしいですね。

    優待券はゴールデンウィーク、年末年始等も利用可能。ただし、一部の便で、優待運賃用の販売座席数に制限がある場合があります。搭乗便の変更も可能です。

保有する株数に応じた株主優待券の枚数

  • 100~199株……1枚
  • 200~299株……2枚
  • 300~399株……3枚
  • 400~999株……4枚
    (400株以降は200株ごとに1枚増えます)
  • 1000~9万9999株……7枚
    (1000株以降は400株ごとに1枚増
  • 10万株 … 254枚
    (10万株以降は800株ごとに1枚増えます)

(2)ANAグループ各社・提携ホテル優待券とは?

ANAグループ各社・提携ホテルの優待クーポン券が入った冊子が1人1冊ずつ発行されます。冊子には以下a~gの優待券が入っています。

a)IHG・ANA・ホテルズグループジャパン(インターコンチネンタルジャパン、ANAクラウンプラザホテル、ホリディ

  • イン、ANAホテル)の宿泊(ベストフレキシブル料金の室料20%割引券)×6枚
  • レストラン、バーでの飲食(10%割引券)×5枚
  • 婚礼の飲食(10%割引券)×1枚
  • 会議、一般宴会(宴会場・会議室の室料の15%割引券)×3枚 b)国内・海外パッケージツアー
  • 国内旅行「ANAスカイホリデー」(通常旅行代金より7%割引券)
  • 海外旅行「ANAハローツアー、ANAワンダーアース」(通常旅行代金より7%割引券) c)ANAグループ各社のお買物
  • 空港内売店・免税店(国内34空港のANA FESTA、成田空港、羽田空港、関西空港、那覇空港のANA DUTY FREE SHOP)でのお買物(10%割引券)×5枚 d)ゴルフプレー料金
  • 「武蔵の杜カントリークラブ」ビジター料金割引券×4枚
  • 「早来カントリー倶楽部」ビジター料金割引券×3枚 e)航空機の機体工場見学

f)ANAカレンダー(壁掛けまたは卓上型)

g)通信販売商品の優待価格での販売