その後、伊藤はクラッシュ・ギャルズの公認親衛隊員を経て、ライオネス飛鳥の公認親衛隊長や公認ファンクラブ会長を務めている。

伊藤「2回目の敗者髪切りデスマッチ(1986年11月7日、長与の勝利)があった後、高校1年生の16歳から19歳まで親衛隊やファンクラブをやっていました。クラッシュの親衛隊は全女の方針で潰されてしまったので、最後は飛鳥さんの親衛隊長やファンクラブの会長をしていました。クラッシュの親衛隊がなくなった理由は、端的に言うとクラッシュ人気は85年にパッと盛り上がるんですけど、忙しくなりすぎて飛鳥さんがメンタルを壊し、芸能活動なども続けられないので休みたいという状態になってしまったんです。でも、会社にとってクラッシュは金のなる木ですから、千種さんがソロで歌手活動をすることになった。その時に全女の方針でクラッシュの公認親衛隊をいったんすべて潰し、千種さんだけの親衛隊に統一してくださいと言われてしまったんです。私は大阪なので、東京じゃないのをいいことにしれっと、同じハッピを着たまま飛鳥さんだけの親衛隊として続けていたんですけど、それもバレて潰されてしまい、そこから飛鳥さんの公認ファンクラブに切り替えて彼女の引退まで続けました」

 飛鳥は誰もが認める運動神経抜群の逸材だが、クラッシュではどうしても華やかな長与にスポットが当たりがちだった。伊藤が飛鳥に惹かれた理由はどこにあったのだろうか。

伊藤「飛鳥さんを選んだ理由は簡単。強かったからです。私はプロレスって強くて大きい人がやるべきだと思っていて、飛鳥さんのお尻から脚部にかけての肉づきは完全にトップアスリートなんです。私としては、それが強い人間の証だと思ってるんですね。あの強さだけで、私にとって彼女が『正解』だったんですよ」

 伊藤が惚れ込んだライオネス飛鳥は、劇中では剛力彩芽が演じた。筋金入りのファンの目に剛力のライオネス飛鳥はどう映ったのか。