◆ふさぎこむ日々にショックな知らせが
もう許せない。悔しい。悲しい……そんな思いでふさぎこむ毎日だった。サークルにも行かなくなった。「どうしたの?」と心配して連絡をくれる人もいたが、なにも話さなかった。優斗さんと美和子さんがつきあっていたことはサークル内のみんなが知っていたはずだ。でも、学食などですれ違っても、みんな何も言わなくなっていった。
「半年くらいたったある日、いちばん仲良かった同級生の女の子にサークルを辞めたいとメールしたんです。そして、そのときに優斗は元気なのかと、尋ねました。すると、その答えがまたショックなものでした」
優斗はすでに大学を休学したというのだ。なんでも、もともと興味のあるインテリアを学びにフランスに行くことになったとのことだった。もう彼とは会えないことは決定的なのだということがわかった。
あっさりと自分を捨てて、さっくりと海外に行ってしまった彼。なんだか無性に腹が立ってきた。そしてその後、美和子さんの怒りが爆発するような事件が起きる。
……ならば大嫌いになるのかと思いきや、その事件がきっかけで、美和子さんはまるで優斗さんの「記憶に推し活」するような、ストーカー的な行動を繰り返すようになる。自分とわからないように別人になりすましての彼への執着。少々ホラーチックな彼女の行動……後編で詳しくお伝えしたい。
※個人が特定されないよう一部脚色を加えています。
<文/安藤房子>
【安藤房子】
作家。恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書に『愛されて結婚する77のルール』など。Instagram:@ando.fusako.loveブログ:恋愛心理研究所 安藤房子の「ココロとカラダのレシピ」