◆弱い存在に手を差し伸べてほしい。自分だって弱いから

――最後に、変わっていく自分をどう思っていますか?

家でのたにゃ
たにゃ君、ずっと幸せでいてね
たにゃパパ:たにゃと出会ってから、これまで出会えなかった人たちに出会えて、想像もしなかったことが起こって。今まで見えてなかった道が見えきて、僕も変わってきました。やりたいこともたくさん出てきて、ワクワクしています。

 歌舞伎町って「弱い人間が集まっている街」だと僕は思います。弱いからこそ虚勢をはらないと生きていけない。これまでの僕もそうだったと思います。でも僕は、寄り添い、支え合える存在に出会えた。たにゃが僕の弱さを知って、認めてくれた。もう虚勢をはって生きる必要がなくなりました。弱いことを恥ずかしいと思わなくなりました。

 人間も動物も、食べていくこと、生きていくことは大変です。雨が降ったら、軒下で震えている猫がいるかもしれない。何日もお腹を空かせている猫がいるかもしれない。たにゃと僕の物語を知ってくれたなら、そんな野良猫たちにも思いを馳せてほしいんです。弱い存在に手を差し伸べてくれたらうれしい。たにゃと出会って、僕は自分でも知らなかった自分に出会えました。世界がもっと優しくなるとうれしいです。