森川葵 Profile

1995年生まれ。2010年に「ミスセブンティーン」グランプリに選ばれ、その後、『LOVEToRAIN-ラブトレイン-』にて、映画初出演にして初主演。2016年から1年間、バラエティ番組「A-Studio」のアシスタントを務め、2018年に「ロミオとジュリエット」で初舞台を踏む。映画『賭ケグルイ』、『天外者』ほか、ドラマでは、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」、「ナンバMG5」など、多数の作品に出演。

話したくても話せない重要な役。
“いつ出てくるの?”と、楽しみにしてて

森川さんが演じるのは、“圧倒的な実力を持つ天才女優”雅美。役柄について伺うと困った顔を見せた。

「雅美は、観る人によって受け止め方が変わるキャラクターです。話そうと思えば思うほど何も言えなくなってしまうのですが、それくらいすごく重要な役で、とにかく大変な役でした。それを踏まえて、“いつ出てくるの?”と楽しみにしててください(笑)」

現場で他の役者と一緒になる場面が少なかった分、いち視聴者としてめちゃくちゃ楽しく観ることができたと森川さん。

「こんなにも今をときめく同世代の役者が集まって芝居をするのは、滅多にない機会なので、とても魅力的に映りました。それぞれのキャラクターの性格が細かく分かれていて、そこに人間性が見えてくるのですが、みんなそれぞれ芝居のやり方は違うけれど、作ってきた役の芝居の細かさが垣間見えるんです。役者たちの作ってきた“芝居”というものに注目して観てもらっても面白いと思います」

トリックが幾重にも重なったこの作品。見終わった後に考察するのも楽しみのひとつと森川さんは続ける。

「ひとりでじっくりと観るのも楽しいけれど、誰かと一緒に行って考察して欲しいですね。きっと人によって見るところが全然違うと思うので、“あのシーンのとき、あの人はこうしてたよね?”、“そのときはこんな表情してたよ”と、答え合わせではないですが、考察し合うことができたら楽しいと思うし、新たな発見も出てくると思うんです。そして“もう一回観よう!”って、何度も観てもらえたら嬉しいです」

劇中では森川さんが圧倒的な演技力を見せつけるオーディションのシーンも。そこでオーディションの思い出を伺うと。

「昔はオーディションが苦手でした。選ぶ側は1日に何人もの俳優を見ているわけで、その中のひとりでしかない私のことをちゃんと見てくれているんだろうか?って思っていた時期もあって...。でも、大人になってから考えると、オーディションは本当に自分に合った役を与えてもらえる素敵な機会なのだと。自分の新しい可能性を見つけてもらえる良い経験だったと思っています」

最後に2024年の抱負を伺うと、“ひとつのことに集中して何かを成し遂げたい”というから驚いた。なぜなら、森川さんと言えば女優だけでなく、カップを積み上げて元に戻すまでの速さを1000分の1秒単位で競う“スポーツスタッキング”のメダル保持者。2023年11月に行われたアジア大会に日本代表として出場し、団体で金、ペアで銀、個人で銅と各種目でメダルを獲得するという快挙を達成している。

「私はいろんなことに手をつけちゃうんです。それが全部中途半端な気がするので、2024年はひとつのことに絞って集中するということをしてみたいです」

様々な高難易度の技にチャレンジし、その習得の速さから“ワイルド・スピード”の異名を持つ森川さん。2024年の彼女に、期待せずにはいられない。

Styling / Yusuke Arimoto
Hair&Make / Naoki Ishikawa