2024 cover interview

東野圭吾の傑作小説「ある閉ざされた雪の山荘で」がついに映画化される。新作舞台の最終オーディションに集められた劇団員の男女七人だったが、閉ざされた山荘で 劇団員たちがひとりずつ消えていき、残された者たちも追い詰められていく...。果たしてこれは演技なのか、事件なのか?劇中で女優を演じた、4人の女優のスペシャルインタビューをお届けします。

中条あやみ Profile

1997年生まれ。14歳で芸能界に入り2011年に「ミスセブンティーン」グランプリを獲得。翌年、TBSドラマ「黒の女教師」で俳優デビュー。2014年『劇場版 零~ゼロ~』にて映画初主演を務め、その後は、『覆面系ノイズ』、『3D彼女 リアルガール』、『劇場版TOKYOMER~走る緊急救命室~』など、多くの話題作に出演。TVでは、「白衣の戦士!」、「君と世界が終わる日に」など、ドラマへの出演やバラエティ番組、CMへの出演も多数。

“閉ざ雪”の世界観にどっぷり浸かって

思いっきり惑わされて欲しい

出演のオファーに、“はい、やります!”と、即決したという中条さん。

「昔から東野圭吾さんの作品を愛読していて、実写化されている作品も多いので、いつかは出演したいと思っていました。実は私、東野圭吾さんとお誕生日が一緒なんです。しかも、今回撮影中にお誕生日を迎えることができて。これは偶然というか、運命というか...勝手にご縁がある気がして、とても嬉しかったです」

中条さんが演じるのは、“公演直前に役を奪われてしまった女優”の貴子。

「貴子は、ありのままというか、思うままに動く人間味のある女性。ネタバレになってしまうので多くは話せませんが、観ている人を惑わす表情作りを意識してみました。知ってるのに知らない顔をしたり、知らないのにわかっているような目線を送ってみたり。細かいところにも注目してもらえたら、より面白く観てもらえると思います」

個人的にお気に入りのシーンを伺うと、堀田真由さんとのシーンとのお答えが。

「真由さんが演じる“温子”とバトルをするシーンがあるのですが、アドリブも混じったリアルな姿が観られると思います。こんなに可愛い子に、バチバチに罵倒される経験なんて滅多にないので気持ちよかったです(笑)」

本作で描かれるのは、劇団に所属する役者7人が新作舞台の主演を懸けたオーディションの最終選考に挑むさま。そこで、中条さんに過去に受けたオーディションの中で印象に残っているものを教えてもらうと、デビュー当時の飲料メーカーのCMと教えてくれた。

「それまでもたくさんオーディションを受けてきたのですが落ちてばかりで...。もうこのオーディションがダメなら、私には女優は向いていない、この道は諦めて別の仕事をしようと思っていたんです。これで最後という気持ちで臨んだオーディションだったので、とても記憶に残ってます。受かったときは本当に嬉しかったです」

その後の女優としての中条さんの大活躍は誰もが知るところ。最近ではモデル、女優だけではなく『大切なことを教えてくれる星の王子さまのことば』を翻訳するなど新たな活動の場を広げている

「今までやったことのないことをやるのはとっても面白いです。なので、2024年もやったことのないことにチャレンジしていきたいと思っています。何をやるか?それはチャレンジしてから教えたいので今は内緒です(笑)」

最後にあらためて『ある閉ざされた雪の山荘で』の見どころを教えてもらった。

「出演者それぞれに色があって、共感できるポイントがそれぞれにあると思います。最初はこの人の気持ちだったのに、観ていくうちにあれ?この人の方が正しいの!?と、惑わされていくのがこの作品の魅力でもあると思うので、”誰が誰に何のために最高の嘘をついているのか”。この世界観にどっぷり浸かって惑わされて欲しいです」

Styling / YUI SAWADA(UM)
Hair&Make / TOMOKO YAMAGUCHI(HITOME)