これまで無敵の強さを誇ったちさまひのバディアクションものとして人気だった『ベビわる』は、一時的に解体されることに。『ベビわる』は劇場版三部作も含めて、まったくの未体験領域へと突入していきます。
除菌スプレーによる手軽な除霊
嵐の前の静けさだった前回をここで振り返っておきましょう。後半シリーズの幕開けとなった第7話も非常に重要なエピソードでした。伝説の殺し屋・宮原(本田博太郎)たちと過ごした殺人合宿を終えたちさまひは、夏休みを楽しみます。ちさとの4歳になる姪っこの誕生会が開かれ、ちさとの実家にまひろも呼ばれます。久々の実家でリラックスするちさと。まひろもちさとファミリーの温かいもてなしに心の安らぎを覚えます。
ちさとの里帰りに関して、大きな疑問がありました。ちさとの家族は、ちさとの職業=殺し屋であることを理解しているのかということです。知ってました。母親(中島ひろ子)は我が子の無事の帰宅を喜びながらも、「たくさん殺してるんだから、邪気を連れてこないでよ~」と除菌スプレーをちさまひに吹きかけます。
除菌スプレーによる手軽な除霊ですが、もともとはホラーゲームの制作現場から始まったそうです。制作室で異変がたびたび起きることから、除菌スプレーで部屋をお祓いするとしばらくは異変は起きなかったそうです。岡田准一主演のホラー映画『来る』(2018年)の劇中、霊媒師役の松たか子が除菌スプレーを愛用していたことから、広く一般化したようです。
合宿所でちさまひがあの世送りにした夏目(草川拓弥)の残留思念も、除菌スプレーできれいに洗い流されたことでしょう。
日本ではギャグシーン、でも海外では感動シーン
ちさとの父親(橋本じゅん)、兄(三河悠冴)、兄嫁(高柳明音)らも集まり、姪っこの誕生会が始まります。お昼から豪勢な手巻き寿司です。実家あるある「食べ切れないほど、刺し身が出てくる」という幸せなシーンが続きます。『ベビわる』シリーズ史上もっとも平和な時間が流れていきます。