――国民が気になるのはトランプ氏が大統領になったときです。これこそ、あまり報道されませんが、日米関係はどうなるのでしょうか?
川上 ようやく日本が独立できます。というのも、トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げているため、日米関係もNATOも米韓関係も、どうでもよいのです。彼が政権を握っていた当時は、日本も安倍晋三元首相で馬が合ったため関係も良好でしたが、もう同氏もいないため、日本に対しても厳しい姿勢を取るでしょう。つまり、日本はこれまでのようにアメリカからの支援を受けられなくなるため、日本独自の外交政策を展開しなければならなくなります。
そこで、防衛力の抜本的強化という議論になるわけですが、そのためにはアメリカだけではなく、中国、ロシア、北朝鮮とのパワーバランスを上手に取る必要があります。そうなったときに、日本にチャンスが来るはずです。日本が「真の独立国」となって、主導権を握ることができます。
それから、今の日本の上空は85%が“アメリカの空”です。土地もかなりの面積を米軍基地が持っています。ハッキリいってこれは異常。そのため、米軍基地を減らしていって、「普通の国」にならなくてはならない。いよいよ自分たちの戦略で外国勢力から、この国を守る必要があるのですが、トランプ氏が大統領になることで、それが初めてできる環境が整うことになります。
――前出のハリス氏の「戦争を継続させる」とは反対に、日本から米軍が撤退する可能性もあり得ると……。そう考えると、民主党政権下だと常に戦争は起きているのですね。
川上 トランプ氏がいうように、民主党政権は戦争をするんです。バラク・オバマ氏だってリビアやイラクのISILと戦争を行いました。そして、今もパレスチナ・イスラエル戦争に介入していますよね。
戦争をしている間は一部の産業、つまり兵器産業には金が回りますが、それ以外の産業に旨みはありません。しかし、トランプ氏は政治をビジネスとして見ているため、ディール(取引)をして戦争を止めようとしているのです。