わたしたちが得る情報の大部分は、視覚から取り入れるといわれています。それゆえに目の健康を保つことは大切ですが、最新の研究で、コーヒーを飲むと眼圧の上昇を抑える可能性があるということが判明しました。
本記事では、コーヒーが目の健康にどう影響するのかについてご紹介します。
コーヒーに眼圧を下げる可能性がある?
眼圧と緑内障には密接な関わりがありますが、ここではコーヒーと眼圧の因果関係について調査した最新の研究結果をご紹介します。
眼圧の上昇は緑内障に繋がる恐れが
わたしたちの眼球内では、房水と呼ばれる液体が一定量作られており、生成されたのと同量の液体が目から流出する仕組みになっています。房水が目の中で循環するときには一定の圧力が保たれますが、これを「眼圧」といいます。
房水を排出する隅角(ぐうかく)繊維柱帯部が目詰まりを起こすと、眼球内に溜まる液体の量が増えて眼圧が上昇することに。また、房水の生成量が増加することでも、眼圧は高くなります。眼圧が上昇した状態が続くと、視神経に悪影響をもたらし、緑内障になるリスクが高まります。
緑内障とは、一部分が見えなくなったり、視野が狭くなったりする目の病気です。症状が悪化すると目が見えずらくなるだけでなく、失明する恐れがあります。現在日本では、40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっているのだそう。国内の視覚障害原因の第1位を占める緑内障は、わたしたちすべてにとって身近な病気です。
コーヒーをよく飲む人ほど眼圧が低い傾向に
これまでコーヒーがどのように健康に寄与するのか、さまざまな角度から研究が実施されてきましたが、コーヒーが目に与える影響についてはあまり研究されてきませんでした。しかし、このほど京都大学の研究グループは、滋賀県長浜市と京都大学付属ゲノム医学センターが実施した「ながはま0次予防コホート事業」に参加した9,850人のデータをもとに、眼圧とコーヒーの摂取頻度の因果関係について研究を行いました。
研究では、習慣的に1日3杯以上コーヒーを飲む人は、1日1杯未満の人に比べると眼圧が低い結果になったといいます。コーヒーをよく飲む人ほど眼圧が低い傾向にあることがわかりましたが、残念ながら、コーヒーそのものに眼圧を下げる働きがあるかどうかはまだ解明されていません。