イスラエルとレバノン紛争が拡大することや、ウクライナ戦争でロシアが戦術核を使うなど、世界を巻き込む戦争に発展していったら、ハリスでは対処できないだろう。その時はトランプの出番となるのか?

 しかし、ビル・クリントンの2度の大統領選に携わった民主党のベテラン戦略家マット・ベネットは、「ハリスが候補者になって以降は世論調査の結果が安定していることを踏まえ、『仮に大きな事件が起きても』大勢に影響はないだろうとみる」。

 むしろ、トランプ側に何かが起きる可能性があるかもしれないというのだ。

「トランプの妻メラニアが意外なサプライズとなる可能性はある。10月8日に出た回顧録「メラニア」で、彼女は『女性は政府からの介入や圧力を受けることなく、自分自身の信念に基づいて出産するかどうかを決める権利を保障されなければならない』と書いている。
トランプの指名した最高裁判事らは人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の『ロー対ウェード』判決を覆して中絶反対派を喜ばせた。だが最近のトランプは、連邦レベルの中絶禁止に消極的な姿勢も見せている。
メラニアの発言は『トランプの選挙運動に複雑な影響を与える可能性がある』と言うのは、フロリダ・アトランティック大学のクレイグ・アグラノフ教授(政治マーケティング論)だ。
女性の中絶権を明確に認めたメラニアの立ち位置が『助けになるか障害になるかは、この問題に関するトランプ陣営の終盤戦での対応次第だ』とも言う」

 結局のところ、現状維持のまま11月5日の投票日を迎えそうだという見方のようである。だがその結果は、まだ混とんとしていて、どちらが有利とも分からないようだ。

 私は、トランプの勢いが衰えてきていると思っている。年齢のせいか、どうしても大統領になってやろうという熱意にどうも欠けてきているような気がする。

 ハリスやや優勢と見るがどうだろう。

 美智子上皇后が10月6日に、住まいである仙洞御所で転倒して「右大腿骨骨折」し、大腿骨を金属でつなぐ「骨折合術」をしたという。